Solo Piano / Philip Glass |
でも、自分のステレオがCDを再生できなくなってからは遠ざかっていた。
聞きたいな~っと思っていたところ、このアルバムがレコードで発売されていることを知った。
さっそく入手。
音質がどうので入手したわけではなく、単純に音楽を楽しみたくて。
なので、レコードを手にした嬉しさは、少年時代の感覚。
あの頃は、小遣いで1ヶ月に1枚のレコードを買うのが全て。
なので、晴らしいレコードに出会うと、飽きないように1日1回以上は聞かなかった。
逆に、いまいちなレコードに出会うと、こんなはずはない、
これは私が未熟で理解が足りないのだろうと何度も聞きなおした。
当時は旋律、リズムに耳が行き、楽器の質感や場の雰囲気は無意識に刻まれた。
今ではそれらを分析的に楽しむ余裕もある。
そんなふうに成長した?私でも、このアルバムは感情的に聴いてしまう。
ミニマムミュージックに感情は相応しくない?
いいえ、私はフィリップ・グラスの多くの曲を感情的に聴いてしまいます。
ミニマルミュージックって形式上の分類としてはすごく便利ですけど、あまたのポピュラー音楽にも影響を及ぼしている今では、音楽的な内容を示す用語ではなくなっていると思います。
明日は時間をつくって、他のグラスの作品やシメオン・テン・ホルトのピアノ曲を聴いてみたいです。
ミニマルを合奏?するときは、ある程度ルールがあるって感じで、
演奏者は自身の感情よりもルールに従う雰囲気があります。
でも、このアルバムのようなソロ、しかも作曲者自身の演奏では、
遠慮することなく感情表現ができるのだと想像します。
それでも感情は旋律よりも、微妙なタッチや間、
音の強弱で表現されます。
そこに滋味を感じます。
名曲、名演奏だと思います。